「こころを洗う技術 思考がクリアになれば人生は思いのまま」

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ご覧いただきまして、ありがとうございます。

日々生活をしていく中で、怒りや後悔などで心がざわつき、苦しい思いをしている自分に気がつくことはないでしょうか?

私も、嫌な出来事などがあれば、それをしばらく心の中で反すうし、引きずってしまうクセがあるので、一日中どころか、週末の休日中苦しい思いをし続けるということも珍しくはありませんでした。

しかし、今回ご紹介する本と出会ったことで、その心のクセによる苦しみ、いわゆる「心の汚れ」がどのようにして生まれ、どのようにすればそれを手放すことができるのかを理解することができ、そして、少しずつ本で紹介されている方法を実践してくことで、心が軽くなっていくのを実感することができました。

自分の心のクセを見つめなおすきっかけにもなる本です。

目次

この本について

この本の著者は、草薙龍瞬(くさなぎ りゅうしゅん)という方で、16歳で中学を中退して家出をし、独学で大検を経て東京大学法学部に入り、30歳代で出家してお坊さんになったという異色の経歴を持った方です。

現在は、特定の宗派には属さず、インドで仏教徒と一緒に社会改善NGOと幼稚園を運営しているほか、「もっと人の幸福に役立つ合理的な方法としての仏教」を伝えるための活動をされています。

この本は、仏教のお坊さんが書かれた本なので、仏教の教えをもとにして書かれています。しかし、仏教関連の書籍にありがちな、難しい仏教用語などはほとんど使われておらず、私たちの生活に寄り添うような形で書かれており、まさしく「幸福に役立つ合理的な仏教」をわかりやすく提示していただいている本です。

各章のポイント要約

<本書のもくじ>

CHAPTER1 止める

CHAPTER2 削ぎ落す

CHAPTER3 留まる

CHAPTER4 立て直す

CHAPTER5 越える

① 「CHAPTER1 止める」のポイント

  • 怒りや後悔、不安、コンプレックスなどの「心の汚れ」が苦しみの原因。
  • 心の汚れを落として「クリーンな心」でいるためには、まずは「反応を止める」ことから始めよう。
  • 反応は「怒り」「貪欲(過剰な欲求)」「妄想」の3つで、心の苦しみを生み出す原因はこの3つに集約していく。
  • 特に「妄想」こそが人間の苦悩を長引かせる最大の原因で、「悩みの99%は妄想が作っている。」と言ってもよい。
  • こうした反応が「結生(感情などが生まれて記憶に刻まれる)」「執着(生じた反応が持続状態になる。燃え続ける状態)」へとほぼ自動的・瞬間的に移行してしまう。
  • 心の汚れを防ぐには、「反応」を止めてあげればいい。
  • 反応を止めるための手法が「ラベリング」
  • 「ラベリング」は、今自分がしている行動や心の動きなどを言葉にして客観的に理解・確認すること。
  • 怒りを感じているならば「今怒りを感じている。」、未来や過去を思い不安・後悔を感じているならば「妄想している。」とラベリングし、自分を「今」と「事実」に引き戻す。

心を汚す原因となる反応からの流れを、「ラベリング」で止めましょう!

② 「CHAPTER2 削ぎ落す」のポイント

  • 私たちが抱えるストレスや悩みなどは、「怒り」「貪欲」「妄想」に加え、「慢(過剰な承認欲求、貪欲+妄想)」の4つが原因となっている。
  • 日々たまっていく心の汚れは、早めに洗い流す。無駄な反応はその都度スパっと切り捨てる。
  • 反応してしまった後どうすればいいのかについてブッダが伝えたのは、「理解する」のただひとつ。
  • 「理解する」というのは、事実としてあるものはある、無いものは無いと認識すること。
  • こうした意識の使い方を「サティ」と呼ぶ。
  • サティはとてつもない力を持っており、もしもこれを極められれば一切の心の汚れが吹っ飛ぶ。
  • サティを実践していくと心がよく理解できるようになり、反応が消えていく。
  • 心の複雑な動きをとらえ、ひとつずつ精密に「あるものはある」と理解していくことで、反応が消えていく。
  • このサティのプロセスを体験していくのが、瞑想・座禅。
  • サティを鍛える方法として「手を使うサティ」「呼吸を使うサティ」「立つサティ」「歩くサティ」がある。
  • サティの実践は、日々の生活の中でこの時間にやるとルールを決めて実践をしていく。
  • 決めた時間内はサティを続け、途中で止めないことが重要。
  • 「ラベリング」は心と身体の動きを大まかに確認する方法で、サティはもっと細かく、瞬間瞬間に「ある」と理解する方法。
  • 「ラベリング」と「サティ」の両輪を回して、理解する力を鍛えてく。

「サティ」であるものはあると理解し、無駄な反応を切り捨てましょう

 「CHAPTER3 留まる」のポイント

  • 日々、周りの何かに振り回されていると感じる原因は「心が漏れている」から。
  • 「心の漏れ」とは、外のことに不必要に反応してしまうこと。
  • 心を漏らさないためには、心の穴をふさぐことが大切。
  • 現実と妄想、自分で動かせる範囲と動かせない範囲を区別することが大切。
  • 自分の手が届く範囲が「自分の輪郭」、そこから外側は「妄想ゾーン」。
  • 自分が影響を及ぼすことができるのは、あくまでも「自分の輪郭」内だけ。
  • 「自分の輪郭」に留まり、心を無駄に使わないで自分を保つ。
  • 「自分の輪郭」に留まりながら、一定の基準をもって外の世界と関わっていく。

事実ゾーンと妄想ゾーンを明確に分けられるようになりましょう!

 「CHAPTER4 立て直す」のポイント

  • 身近な心を動揺させるものは「人間」「周囲の環境」「不本意な出来事」の3つ。
  • 「人間」と「周囲の環境」については、「自分の輪郭」に留まりながら関わっていく。
  • 問題は「不本意な出来事」に遭遇したときで、必要なのは「心を立て直す方法」。
  • 後悔は「怒り」と「妄想」でできている。
  • 起きてしまった出来事に対する「怒り」が生じ、それから色々な形で「妄想」へと派生していく。
  • ラベリングとサティで「怒り」と「妄想」を止めて、消していく。
  • 「過去を思い出さなくなる」か「思い出しても怒りの反応が出ない」ことが後悔からの卒業といえる。
  • 未練は「欲求」と「妄想」でできている。
  • 未来は、妄想ではなく、あくまで現実の作業の積み重ねでたどり着くもの。
  • 失敗による動揺は、「過去」に対する反応であり、「妄想」である。
  • 自分の評価が気になるのは「承認欲」で反応するからで、「自分はできる」という「妄想」を抱えてしまっているから。
  • 失敗した後は、何ができていればいいのかを考え、現実的なゴールを目指す。
  • 人間関係の悩みは、「判断」という過ちが原因になっている。
  • 「こうあるべき」といった相手に向けている判断は、「自分が正しい」という「慢」であり、「妄想」である。
  • 人の心は判断することを嫌い、理解されることを求めているため、人と向き合うときは判断に気を付けながら理解することが大切。
  • 人と関わることで重要なのは、相手にとって何が一番良いのかを考えること。
  • 「自分にとっての最善」は「妄想」であり、それは判断の押し付けになってしまう。

色々な場面で悪さをしている「妄想」に気づき、消していきましょう!

 「CHAPTE5 越える」のポイント

  • 長年にわたって、特に理由も思い当たらないのにイライラしたり、落ち込んだり、人間関係に悩んだりする原因は「業(ごう)」にある。
  • 業とは、同じ反応を繰り返すよう働きかけてくる心の力(無自覚な反応のパターン)。
  • 仏教では、「業」は人間を苦しみの輪廻の根底に潜んでいるものとされている。
  • 業は、「反応」⇒「結生」⇒「執着」というパターンを作り上げている強い力で、心が刺激に触れたときに、自動的に同じような反応を生み出してしまう。
  • 「業」という非常に厄介な心のクセともいうべき存在と決別するためには、やはり「理解する」ことが必要。
  • 業を理解するためには、自分にはこのような心のクセがあると理解し、自分なりに「ラベリング」で名前をつけてあげる。
  • 業の代表的なタイプとしては、「求めすぎる業」「怒りの業」「慢の業」「妄想の業」「自己否定の業」などがある。
  • 業は十人十色であるため、ひとりひとりが、「これは〇〇という業だ」と自覚できることが大切。
  • 仏教における反省とは、自分を責めることではなく「はっきりと理解する」こと。
  • 1日を振り返り、心のクセが出たことを日記に書くことが効果的。
  • 「親の業から自由になる」ことも、自分の業を超えていくうえでは大切。

自分を苦しみに縛り付けている「業」を理解し、越えていきましょう!

さいごに

ここまでご覧いただきまして、ありがとうございます。

この本は、私が仏教の教えに触れた最初の本で、ここから瞑想や仏教の経典などにも興味を持ち、本を読み漁るきっかけにもなりました。

仏教関連の本を読み、ある程度知識が増えてきた段階でまたこの本を読むと、「なんて仏教の大切な教えを丁寧で簡潔にまとめた本なんだろう。」と感動すらおぼえます。

この本は、仏教の教えの中でも、私たちの日常生活にすぐにでも役立つものをピックアップして、非常に読みやすい文章で伝えてくれています。

ブログでは、本当に各章の表面をさらりとなぞって、私なりに要約してお伝えをさせていただきましたが、本書ではもっともっと深く書かれており、実践のためのヒントやコツなども多く書かれています。

もしこのブログをお読みになって、この本に興味を持たれたり、「これいいかも」と思われた方は、実際に本書を手に取っていただくことを強く強くおすすめいたします。

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